26/07/24

フェムテック製品に使われるプラスチック材料とは?

市場の拡大とともに、デリケートゾーン洗浄器、アプリケーター、月経カップ、セルフケア用品など、多様な製品が登場しています。
しかし、こうした製品の使い心地や安全性は、デザインだけで決まるわけではありません。
実は、「どのプラスチック材料を選ぶか」が、使用感や品質、さらには製造コストにも大きく影響します。

今回は、フェムテック製品でよく使用される代表的な材料について、それぞれの特徴や用途を分かりやすくご紹介します。


1.PP(ポリプロピレン)

PPはフェムテック製品でもっとも多く採用されている材料の一つです。
アプリケーターやキャップ、容器本体など、多くのプラスチック部品で使用されています。

特徴

  • 軽量
  • 比較的安価
  • 耐薬品性に優れる
  • 射出成形しやすい
  • リサイクルしやすい

また、医療機器にも数多く採用されており、医療グレードの材料も豊富です。
比較的硬い材料ですが、肉厚や形状を工夫することで十分な使いやすさを実現できます。

向いている製品

  • 腟剤アプリケーター
  • デリケートゾーン洗浄器
  • 注入容器
  • キャップ
  • 医療機器部品

2.PE(ポリエチレン)

PEは柔軟性があり、スクイズボトルなどによく使われます。
フェムテック製品では、洗浄液のボトルや柔らかい容器などで採用されています。

特徴

  • 柔らかい
  • 押しやすい
  • 耐薬品性が高い
  • 割れにくい
  • コストが比較的低い

特にLDPE(低密度ポリエチレン)は柔らかいため、洗浄液を適量吐出する容器として適しています。
一方、HDPE(高密度ポリエチレン)は剛性が高く、ボトルなどに多く採用されています。

向いている製品

  • スクイズボトル
  • 洗浄液容器
  • ノズル
  • チューブ

3.TPE(熱可塑性エラストマー)

TPEはゴムのような柔らかさを持ちながら、プラスチックと同じように射出成形できる材料です。
近年、フェムテック市場で採用が増えています。

特徴

  • やわらかい
  • 滑りにくい
  • グリップ感が良い
  • 射出成形できる
  • リサイクルしやすい

シリコーンよりも加工しやすく、量産コストを抑えられることも大きなメリットです。
また、インサート成形や二色成形もできるため、柔らかい部分だけTPEを使用する設計も可能です。

向いている製品

  • グリップ部
  • パッキン
  • ソフトノズル
  • 保護キャップ
  • クッション部品

4.シリコーンゴム

フェムテック製品で優れた柔軟性や耐熱性などの材料特性から、安心感が求められる場合に、よく採用される材料です。
月経カップやシリコーン製ブラシなど、多くの製品で利用されています。

特徴

  • 非常に柔らかい
  • 耐熱性が高い
  • 生体適合性に優れる
  • 長期間使用しやすい
  • 滅菌にも対応しやすい

一方で、

  • 材料価格が高い
  • 成形コストが高い
  • 生産サイクルが長い

という点もあります。
使い捨て製品よりも、繰り返し使用する製品との相性が良い材料です。

向いている製品

  • 月経カップ
  • シリコーンブラシ
  • 柔軟なノズル
  • シール部品

5.ABS樹脂

ABSは剛性が高く、美しい外観が得られる材料です。
フェムテック製品では本体ケースや操作部などに採用されています。

特徴

  • 剛性が高い
  • 寸法精度が良い
  • 外観品質が高い
  • 加工しやすい

一方で、肌に直接触れる柔らかい部分にはあまり使用されません。
主に電子機器や電動製品のハウジングなどで活躍しています。

向いている製品

  • 美容機器
  • 本体ケース
  • 操作部品
  • 外装カバー

材料比較

材料柔らかさコスト成形性主な用途
PP★★☆☆☆アプリケーター、容器
PE★★★☆☆ボトル、ノズル
TPE★★★★★グリップ、ソフト部
シリコーン★★★★★月経カップ、長期使用製品
ABS★☆☆☆☆ケース、外装

重要なのは、「どの材料が一番優れているか」ではなく、「どの用途に最適か」という視点です。

例えば、使い捨てアプリケータであればPPが適しています。
一方、繰り返し使用するセルフケア用品ではシリコーンが選ばれることが多くあります。
また、持ちやすさを高めたい部分にはTPEを組み合わせることで、操作性や快適性を向上させることも可能です。

開発では「材料選定」と「成形技術」の両方が重要

フェムテック製品では、材料だけでなく、形状や肉厚、金型設計、成形条件まで含めて検討することで、初めて使いやすく品質の高い製品が実現します。
そのため、開発初期の段階から、用途やユーザーに合った材料を選定することが、製品開発を成功させるポイントになります。


まとめ

材料には、それぞれ異なる特性があり、製品の目的や使用方法によって最適な選択肢は変わります。
ベテルでは、フェムテック製品をはじめ、医療機器やヘルスケア製品のODM・OEM開発において、材料選定から試作、金型製作、量産まで一貫したサポートを行っています。

「どの材料を選べばよいかわからない」「アイデアを形にしたい」といったご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。